アスア久が原/asua kugahara 2012

PHOTO : TOSHIHIRO SOBAJIMA

クルマのスケールとヒトのスケールを調停する。
PHOTO BY TOSHIHIRO SOBAJIMA


大田区は東急池上線久が原駅より徒歩5分、環状八号線沿いに建つ賃貸集合住宅。自動車の交通量により計画された環八が持つスケールや 素材感、スピード感等は決してヒトが「居心地良く」住むことに適しているとは感じない。

設計において、
環八が持つスケール(尺度)を 人が住むための様々な尺度に導いていくことをイメージした。
広い運河のような環八の幅員に対して、 流れを引き込んだような小さな落ち着いた中庭をつくること。
そこを眺めて暮らすこと。

とらえどころ無く南北に拡がる空を、小さな中庭で切り取り、
住人だけが見上げる自分だけの空をつくること。

荒々しい環八の風景に対峙する、素材感あふれる厚手のデニムを着込む様な、ヒトを守り包み込む外観から、ヒトを包み込む優しくやわらかいインナーのように、建物の肌理を細かくしていくことを試みた。